股関節に障害を抱えながら、仕事をするといかに大事な器官であったかが分かります。座ること、荷物を運ぶこと、階段を上がることなど挙げればキリがありませんが、生活に関わること全般に股関節は作用しています。職場には、理解してもらうため、脚の障害について告知し、今ではほとんどの人間が僕の症状を知っています。それから、程なくして僕に異動の内示が出ます。異動先は、広報部門で、企業で言うところの営業部門に近いところになります。よりによって足を使っての出張の多い部署に回されることについて、正直なところ「辞めてくれ」という意思表示なのかなと思いました。例の人事の男性ならやりかねないことだと思ったからです。実際に異動してみると、そこまでの出張は課せられませんでしたが、段ボールを運ぶなどの肉体労働は多かった。しかし、職場の皆さんが、脚のことを知っていたので、フォローもしてくれた分、多少軽減はされましたが、やはり脚への負担は少なくはありませんでした。それからまもなく、この部署で、厄介な人間関係のトラブルに巻き込まれ、僕自身も当事者として対応していくことになります。

今度の異動先は、大所帯で年齢構成も多種多様でした。ミドル層に、僕ともう一人の男性がいましたが、この男性がトラブルの原因となります。どのようにトラブルに発展していったかというと、大枠だけ捉えて説明すると、次のようになります。彼は、僕よりも先に異動して来ていましたが、本人曰く前部暑の上司から、「広報部門を立て直すのが、君のミッションだ」と言われそれを実践しようとします。ただ、そのやり方に問題があって、最初から喧嘩腰で同僚のみならず、上司ともそういう姿勢でやり取りをするものですから、権利ばかり主張する自己中心的な人間と思われるわけです。僕が異動して来て間も無く、彼は、「この部署は上から下まで、使えない奴ばかりだから」と僕に訴えていたのも、「なるほど、こういう見方が念頭に立ち、攻撃性を見せていくんだな」と分析し、僕はその時、「人は簡単に評価なんて出来ないよ」とやんわり否定しました。その後もこういうやりとりが時間が経っても続くので、僕は「そうは思わない」と明確に否定しました。これまで、味方だと思っていた人間から真逆の意見を突きつけられた時の反応もそうですが、それよりも厄介だったのは、全て否定から物事に入るという考え方です。物事を疑ってから取り掛かることも大事なことだと思いますが、そこに議論が出来る関係が出来ていれば問題ないのですが、高圧的な態度でねじ伏せようとするので、コミュニケーションなど図れず、彼とペアを組む人間は、精神的に病んで追い込まれ、正規雇用の人間ですら退職や異動で業務経験を詰めないまま短期間でいなくなってしまうことです。僕が広報に異動した背景も、実は欠けた人員の穴を補充するための人数合わせだったように思います。そして、一気に部署内がおかしくなったのは、彼の前部暑の上司が、広報に異動になったことにより、彼は「勇気100倍」という表現がピッタリだと思うのですが、この後、部署内の邪魔者を次々と追い出し、彼もそれに合わせるかのようにスピード出世を果たしていくことになります。僕の耳にも事前に邪魔者のAとBを出すということを言うぐらい、陰ながら人事権を持っていることをアピールしていました。そう言えば、その上司がいた前部暑もやたらと人の異動が多かったこともあり、同じことをやったわけです。いとも簡単に人を動かせる背景に、その上司と人事の例の男性が仲良しというおまけ付きだったことは、言うまでもありませんが、例の彼が日増しに力を持つことは僕ら残された部員にとっては、逆境の立場に置かれていることを意味しており、どうしたら打開出来るのか頭を悩ませました。

形式上、力を持った彼は、当然僕と意見が合わないと認識した途端、攻撃的な態度に打って出てます。僕は、こう言うタイプと遣り合う場合は、個別対応は最も避けなければいけないことを動物的な勘で感じていましたので、わざとみんながいる前で、二人の間でトラブルになっていることを周知するやり方をとりましたので、次第に向こうから距離を取るようになりました。ただ、部署内の雰囲気がこのままではまずいと考えた僕は、彼に、「いい加減、高圧的な態度でみんなに接するのはやめたら」「僕もそうだけど、職場に来たくないという声が聞こえてるぜ」と言いました。また、耳の痛い話しを聞かされた彼の僕に対する対応はもうご想像の通りになりますが、「お前は仕事をやっていない、評価はCだ」とか「お前は俺の悪口をあちこちで言いふらしている」など感情が入り混じった無茶苦茶な話しをして来ます。立派なパワハラですね。彼を庇う上司にも僕は苦言を呈しました。人が辞めていく明確な理由が明らかになっているにも関わらず、人事には隠し通しました。部員たちの精神的な疲弊も上司は分かっていると言いながらも、部員の意見聴取をするだけでその先の対応を何もしてくれませんでした。僕は、彼をサイコパス的な人間と考えていましたので、上司にも扱いに困っていることを前提として助け舟を出し、「本人に言いにくいのであれば、更に上の人に相談したらどうですか、こちらが言っていることは理解してくれているのであれば」と最後のお願いをしましたが、「ええー」と言う態度でした。この時の僕は、もう八方塞がり状態で、まさに追い込まれどう進んでいけば良いのか分かりませんでした。若い連中が恐怖心から、彼に意見も言えない中で、先輩としてやるべきことについても組織の手続きの中では限界を感じていました。思えばこの部署に異動してから本業の仕事をやる前に人の問題の調整ばかりを僕のような底辺の人間に解決させられて来たことも、「割が合わないなあ、環境を変えてみるか」と思うようになり、「便利家」から脱却すべく、転職活動を再開しました。実際にお声をいただいた会社もありましたが、管理部門長や経理課長という立場で迎えるも、年収は今より大幅ダウンで、家族の同意が得られませんでした。僕は、上司にも「この環境下で費やした無駄な時間は計り知れないので、転職活動をした」と報告しました。後に人事にもそのことを話しをすることになりますが。とにかく、モヤモヤしている中で結局は、僕の願いも虚しく、今度は僕自身が、脚の障害のことを理由に上司からお願いされた仕事を断ったことにより上司との関係性が破綻し、数ヶ月間、無視され仕事を干されることになります。

丁度、その頃、僕に人事から連絡が入り、部署内で抱えている問題について色々と聞こえて来ているから非公式に教えて欲しいとの話しがありました。こう言う場を設けることはあくまで例外中の例外ということを念押しされ、情報統制を徹底されました。直接、人事と話しが出来るとは思っても見なかったので、僕はこれまでの経緯を時系列に整理して、感情を抜きにして事実関係を淡々と伝えました。僕自身だけでは、客観性に問題があるので、部署内の人間からも幅広くヒアリングのお願いをしました。人事は、例の彼とその上司に問題があると判断し、これまで一緒に仕事をして来た人間にもヒアリングの範囲を広げ、より精度の高いエビデンスを取ろうとしました。僕には、人事には例の男性がバックで控えているので、自分が話したことが上司に漏れのではないかという心配もありましたが、タイミングは今しかないと思い、こちらも部長職の教員に相談するなどあらゆる手を使いました。

人事との極秘の打ち合わせが続き、定例の人事異動の季節になりました。問題の彼と上司が異動することが部署内の部員の総意でしたが、それは現実的には難しいことから、まず彼が先に異動となりました。後日談ですが、彼と上司をペアで仕事をさせることで相当の問題(いじめで退職など)がこれまでにもあったようです。具体的には、ターゲットを見つけていじめ抜き、恐怖政治を図り、マネジメントをする手法なんですね。この手法を見抜いた人事は、定例の人事異動の内示の際、警告書を読み上げました。内容は、これまでの言動について改めるように反省を促すものと、上司に至っては監督不行届に対するものでした。この警告書を作成し発信名に名を連ねたのが、僕と面談を重ねて来た人事のマネージャーでした。なぜ、上の人間ではなく、マネージャー名だったのでしょうか。マネージャーの上に君臨するのが、例の男性というのも皮肉な話しです。この不可思議な出来事を物語るように、窓口して僕と対応してくれたその人事のマネージャーは、後日管理部門から外れ現場に異動となりました。全体の利益を考え、仕事を推し進めて来たところにいつの間にか、二人の間に隙間風が生じ、嫉妬も加わり、人事権の掌握を奪取し、内外に力を見せつけようとした、権力闘争の匂いがプンプンします。人とお金を掌握した例の男性は役員でもあるため、任期満了まで、相当の年月を残しており、僕が考えることではないかも知れませんが、この職場には、未来が描けないと感じずにはいられません。今回の一件で、組織は人を守らないということが、ぼんやりしたものから確信に変わりました。僕の生き方も、新しい生活様式ではないですが、組織に依存しない生き方を模索し、危機感を持って臨むことが必要だと感じました。非常勤を入れて千人規模の組織は実は、個人商店だったということが露呈した瞬間でした。

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